音読サークル〈玲瓏りんろん〉のイベント「音読お茶会」を開催しました。
第45回中国語の音とリズムを楽しむオンライン音読お茶会
[日時]2022年7月4日10:00-11:30
今回はスタッフ3名に加えて参加者5名の予定でしたが、前日の大規模通信障害の影響で参加できなくなってしまった方がいらっしゃいました。
残念。またの出会いを期しましょう。
【音読コーナー】
推薦原稿(1):世界でいちばん長生きな哺乳類は?(幼児版《十万个为什么》より)
小学3年の息子さんが、そばで練習を聞いて楽しんでくれたらいいな、と選んでくださったAさん。
うちにも小学3年の娘がいるので、いつも楽しげなイラストが描いてある《十万个为什么》の練習は、興味深げに聞いてくれます。
推薦原稿(2):12ヶ月の花(《語文》教科書2年生上冊より)
各行の字数がそろった韻文形式の詩です。2行ごとにしっかり押韻もしてあって、小学2年生の教科書、あなどれません。
花の名前がたくさん出てきて楽しい詩です。
皆さんそれぞれに読みこなしてくれました。12ヶ月というのは旧暦の月名なのですが、どうも花の咲いている月がイメージに合わないものもあります。まあ、中国も日本も南北に長いですから、地域設定を動かせばどうにでもなりますけれどね。
持ち込み原稿:〈浪漫的七夕〉(『中国語で読む 我的(わたしの)ニッポン再発見!』より )
本で1ページある作品なのですが、「練習しているうちに覚えてしまったからー」と、暗唱で披露してくださいました。
ストーリーのイメージを追って手振りがついて、そして一文字も漏らさずに暗唱に成功したそのご様子。みんなが刺激を受けたと思います。
なんでも音読者のTさんは子供の英語塾で、そのようなストーリーテリングの指導もされているそうで、子供たちは最初は訳が分からなかったストーリーを、フラッシュカードで覚えて、ちゃんと全文を暗唱できるようになるんだそうです。
それをご自分の音読練習にも取り入れた音読者さん、ナイスです!
中国語学習の発展の段階としては、文字にしばられている段階 → 発音にしばられている段階 → 意味を伝えられる段階、っていうステージがあるのかもね、なんていうお話もしました。
「練習しているうちに覚えてしまったからー」という音読者さん、発音にしばられている段階を越えて、意味を伝えられる音読になっていましたよ♪
【トークタイム】
今回はかなりたっぷり時間を取って、皆さんのお話をうかがうことができました。
楽しんで見たドラマ。好きなドラマのジャンル。中国語の勉強におすすめだと勧められたドラマ(《以家人之名》)。
最近買ったお気に入りのテキスト(『ハッピーエンドの中国ショートショート』)。
好きな中国語学習ポッドキャスト。
中国語の勉強方法。
勉強の方法についてはかなり話が盛り上がって、ディクテーションのこと、聞き流しのこと、暗唱のことなどたくさんの話題が出ました。
A4文書2ページの中国語文を暗唱せざるを得なかった経験をお持ちのXさん。「覚えられるわけがない」と思っていたけれども、やってみたら覚えられた、という貴重な証言。やればできるものなんですね。
語学学習のトレーニング方法はたくさんありますが、それらが初級レベルから上級レベルまで一直線に並んでいるわけではありません。
語学習得レベルに応じて、どの段階でどのトレーニングを行っても可。ただし、目標設定をすることが肝要。適切な目標設定をすれば、どのトレーニングもどのレベルにおいても意義があるんです、なんて話をいたしました。
【感想】
国語の2年生の教科書に載っている〈十二月花名歌〉ですが、みどりさんが面白いYouTubeを見つけてきてくれました。
どうやら国語の先生の参考にも使われる模範的授業の様子のようです。
ちょうどこの〈十二月花名歌〉の授業の箇所で頭出しをしてあります。
//www.youtube.com/embed/TBhdvAfZlbg?start=476
いやあ、国語教師の仕事って、広汎にわたるんだなあ、と感じました。
詩の形式の話。
花の特徴の解説。
用いられている修辞の形式の解説。
……たとえば、擬人化、比喩、誇張など。
小学2年生でもこういう内容が理解できるんだなあ。
そういえば、この模範授業の生徒役の小学生たち、まあお行儀のよいこと。
中国で求められる理想的な授業参加の様子が垣間見られます。
中国から日本に来てお子さんを小学校に入れると、子供たちの行儀の悪いことに驚かれるそうですね。授業中でも私語をしたり、先生に気安く話しかけたりすることが。
それはもう教育方針の違いとしか言いようがありませんが、ずっとあんな真剣で濃密な授業を聞いていられる集中力たるや、すごいものです。
【次回のお茶会は……】
次は、9月の土曜日にお茶会を開きます!