音読サークル〈玲瓏りんろん〉のイベント「音読お茶会」を開催しました。
第56回中国語の音とリズムを楽しむオンライン音読お茶会
【日時】
2023年9月18日(月・祝)10:00-11:30
参加者:主催者2名、音読者6名、リスナー1名
【自己紹介コーナー】
彼岸花が咲いたり北海道では気温が20度を下回ったりと、暑い中でも確実に季節の移ろいは感じられるようです。阪神優勝に沸く大阪に海外からの知り合いが行った、というタイムリーなお話も聞けました。
お子さんと中国語の歌を歌っておられるご家庭や、お子さんが平家物語の暗唱を聞かせてくれるというご家庭があるなど、みなさんのおうちの色々な環境を聞かせていただいて「素晴らしい!」となりました。
【音読コーナー】
◆推薦原稿(1):ドラマ陳情令に関係ある漢文
主催の井田が春から夢中になっているドラマ「陳情令」。
7月のお茶会ではテーマ曲を取り上げたのですが、今回は劇中に出てくるセリフや用語の典拠になっている漢文を以下の3つ集めてみました。もっともっとたくさんあると思いますが、まずは有名どころから。
AとBは、有名なだけに他のドラマでもちらほら見かけます。今回は、陳情令の次にわたしがハマっている山河令でも使われている漢文を選びましたので、お茶会の終わりに山河令についての紹介もねじ込みました(笑)
A「論語 第七巻 憲問第十四 40」
陳情令では江氏の家訓とされている「明知不可而為之」の原典と言える文です。第11話で言及されてるのが初めてじゃないかな。
山河令では第12話で人を信じるということについて使われています。
B「自遣」[唐]羅隠
慣用句のように使われている「今朝有酒今朝酔」の原典です。陳情令では第6話で、魏無羨が藍忘機に酒を勧めながら口にします。
山河令では第9話で何か思いに沈んでいる様子の周子舒に対して、温客行がご馳走を用意して声をかけます。
C「寻隐者不遇」[唐]贾岛
こちらは陳情令の藍氏の拠点「雲深不知処」の地名の原典です。「雲深くしてその処を知らず」という文なのですが、それを5文字まるまる使って地名にしてしまうという、原作者の墨香銅臭先生のセンスにしびれます。
地名「雲深不知処」が含まれるセリフとしては、陳情令で一二を争う胸キュンのシーン「連れ帰り、隠します」を紹介しました。第25話です。
◆推薦原稿(2):中国語版ももたろう「5鬼ヶ島でのたたかい」
そろそろ終盤にさしかかってきた「ももたろう」。ついに鬼ヶ島です。
今回は、小さい青鬼、桃太郎、鬼の棟梁とセリフが結構ありましたので、音読者さんそれぞれの「なりきり」が素晴らしかったです。
そしてまたオノマトペも話題になりました。鬼ヶ島の大きな門を「どんどん」と叩く原文が、“咚咚咚”と訳されているのですが、中国語の“咚咚咚”はわりと控えめな「とんとん」「こつこつ」という表現らしいという情報が。動物の鳴き声といい、雨の降る音といい、オノマトペには文化の違いがくっきりと現れますね。
◆お持ち込み原稿:
秋はスピーチコンテストの季節ですね。今回はスピコン参加予定の方が3名も参加してくださいました。
日中友好協会の朗読課題文を読んでくださった方がお二人、弁論部門の自作スピーチを読んでくださった方がお一人。
みなさんかなりの練習を積まれている様子が伝わってきました。
【感想】
今回は内容が盛り沢山で、お話をする時間が少なめになってしまいましたが、みなさんニコニコと過ごしてくださり、楽しい時間になったと思います。
解説に使ったスライドのうち、7月開催回の分はこちらからご覧ください。
今回付け加えた分はこちら。
【次回のお茶会は……】
次は、10月にお茶会を開きます。月曜平日開催の予定です!